壁紙DIY#1:壁紙の貼り方の基本をインテリアスタイリストに学ぼう!

DIY・インテリア

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大好評だったイベント『自分でできるプチ改造!~壁紙編~』で講師を務めて頂いた、インテリアスタイリスト村上直子さん。前回のイベント終了後に、「実際に貼るところを見てみたい!」というラボメンバーの声が多数届き、それにお応えするかたちで今回のイベントが開催されました。実際に壁に貼るのはまだちょっと不安……という方向けに、まずは3段ボックスでトライしていくワークショップ形式イベントになりました。

壁紙を貼るために必要なスキルを身に着けよう!

収納アドバイザーであり、インテリアスタイリストや映像の装飾美術担当などとして、第一線で活躍されている村上直子さん。個人宅からドラマ・PV動画撮影まで、幅広くインテリアにまつわるスタイリングを手掛けています。今回のイベントでは、村上さんのご自宅にお邪魔して、実際に壁紙を切っていき、3段ボックスに貼っていくまでの工程を、ラボメンバーと一緒に体験していきます。

――村上先生、こんにちは。今日はどうぞ宜しくお願い致します。

村上:こんにちは。前回は私の自宅の壁紙を見て頂くイベントだったのですが、今回は実際に壁紙を切って、貼るということを、皆さんと一緒にやっていきたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。

――ありがとうございます。本日はこのような流れで進めて行きたいと思います。

Step0:準備物の確認
Step1:切る
Step2:貼る
Step3:仕上げる

先生、今日は何を作るのでしょうか?

村上:本日はこの3段ボックスの奥の部分に、壁紙を貼っていきます。

――先生、初歩的な質問なのですが、壁紙って壁に貼るものだと思っていたのですが、棚とかボックスなどにも貼れるものなのですか?

村上:はい、貼れます。例えば家具などが少し古くなってきてしまったら、そこに壁紙を貼るだけで、イメージが変わってまたよみがえったりして、オススメですよ。

Step0:準備物の確認

――それでは先生、準備物の確認をしていきたいと思います。

村上:壁紙は、今日は「洋書風」のものをご用意しました。本棚みたいに見える柄なので、壁にも映えますしとてもオススメです。

カッターは切る前に一度刃の状態を見て、切れやすくしておくといいでしょう。なでバケは、壁紙を貼った後に、壁と壁紙の間に空気が入らないように上からなでていくものです。そしてローラーです。こちらはカットした面と面を繋ぎ合わせる時に、その間を馴染ませる時に使います(今回は使いません)。ヘラは、細かい隅っことかに貼った後に壁紙を押さえるときなどに使います。

村上:地ベラは、最後に壁紙をカットする時に使います。上から下まで壁紙を貼って、最後の床に着く部分にこれを添わせて、カッターで切っていきます。

村上:ローラーバケは、のりをつけるときに使います。このバケツのなかにのりを入れて、ローラーバケで壁紙に塗っていきます。バケツは、私は使い捨てのものを使っています。

村上:そして今日使うのりはこちらです。強力タイプのすぐに使えるのりですね。

村上:スポンジは食器用のスポンジを使います。のりがはみ出た部分を取るときに使うだけなので、食器用スポンジでいいかなと思っています。

あとは、バケツのなかに水を入れて、タオルを入れておきます。これははみ出たのりを拭き取る用ですね。タオルは水をかたく絞って使ってください。

村上:カットするときに使う長めの物差しだったり、机などを傷つけないようなマットがあると安心ですね。今日はテーブルにもテーブルクロスを敷いていて、のりがついても洗って落とせるようにしています。新聞紙を敷くよりも、紙と紙がくっつく心配がないので、クロスのほうがオススメですね。

Step1:壁紙を切る

――ありがとうございます。では、早速実践編を、先生お願いします。

村上:壁紙のサイズを計ってください。貼りたい箇所に対して、1〜2cm大きいサイズで切っていきます。予め私は大きさを計っておきましたので、その幅でシャーペンで壁紙の裏側に線を引いています。ポイントは余裕を持って、短くなりすぎないように切っていくことです。

村上:今回はこのボックスの内側の部分に壁紙を貼っていくので、天地の高さを計っておいて、それぞれ余裕を持って壁紙を切っていきます。これは実際に、壁に壁紙を貼っていくときでも同じですね。

それでは切っていきましょう。

――先生、緊張の瞬間ですね。

村上:そうですね、私も普段よりも緊張していますが(笑)失敗は成功のもととも言いますから、でも頑張ります。はい、上手に切れました。

――先生、ラボスタッフから質問です。「私はファイルボックスに壁紙を貼っています。ファイルボックスの外側に壁紙を貼ろうとしているのですが、どこでカットしたら良いかわかりません」

村上:そうしたら角で壁紙を切り落とすのではなくて、なるべくファイルボックスを一周するような感じで、くるむようにしてカットしてください。角で切り落としてしまうと美しくないので、平面の部分で壁紙をつなげるようにすると良いです。

――ありがとうございます。

Step2:貼る

村上:では次に、壁紙にのりを付けていく工程に入りましょう。バケツにのりを入れてローラーバケに馴染ませます。大量にのりを入れるわけではないので、今回使っているようなバケツでなくても、例えばお肉を買った時のプラスチック製のトレイとかでも代用できるかもしれません。

――お肉を買った時のトレイでしたら、そのまま捨てられますしいいですね。

村上:はい、ではのりを壁紙に塗っていきます。あまり難しく考えずに、隅っこから塗っていきましょう。この下に敷いているのはカッター台ではなくて、実はデスク用の汚れ防止カバーです。ちょっと厚みのあるものを昔から使っていて、子どもたちが工作するときなどにも重宝していました。

――素朴な疑問なのですが、のりって塗っている間に、最初に塗った箇所が乾いていきませんか?

村上:乾ききるということはないと思います。乾いてしまって貼れなくなるということは今までもありませんでしたので、大丈夫だと思いますよ。コツは、隅っこまでしっかり塗ることと、明るい所でのりを塗って、ちゃんと全体的に塗れているかどうか確認することです。

――ローラーバケの大きさって、大きいほうが良いのでしょうか、小さいほうが良いのでしょうか。

村上:壁紙の場合は、貼る面が大きい場合は、大きめのローラーが良いですね。早く大きな面積を早く塗れるので楽です。小物に壁紙を貼る場合は、少し小さいほうが小回りがきいていいかなと思います。

ここでポイントです。のりが全体に塗れたら5分ほど置いてください。のりが塗られた状態から少し乾いてくると、壁紙は少し縮むんです。後で柄合わせをする事がある場合は、このように5分くらい乾かしてから貼ると、ベストです。

――なるほど、壁紙って縮むんですね。

村上:乾かしている間に壁紙用のりをご紹介しますね。今日使っているのが、強力タイプの壁紙用のりです。家具とか壁に貼る場合は、こちらののりがオススメです。

――ずっと貼っておきたい人は、強力タイプがよさそうですね。

村上:そしてこちらは貼ってはがせるタイプの壁紙用のりです。粘着力は弱いけれど、例えば賃貸のお家であれば、このタイプを使うと安心ですね。天井に壁紙を貼りたい場合は、このタイプは不向きかなと思います。

村上:そしてこちらは「Mataharukun」です。貼って、はがせて、また貼れるというタイプで、付箋のようなのりです。ただこちらの場合、のりを塗ってから12時間程度時間をおいて、そこから壁紙を貼るので時間がかかります。賃貸などで頻繁に壁紙を貼り替えたい場合などにはオススメですね。キレイにはがれるので、何かと安心です。

――のりはどこで売っているのでしょうか。

村上:「壁紙屋本舗」さんでも売っていますし、「楽天」や、輸入壁紙専門店の「WALPA」さんでも売っています。

――先生質問が来ています。「貼りたい対象物にのりを塗るのではなく、壁紙にのりを塗ったほうがいいのでしょうか」

村上:のりによっては、貼りたい対象物にも塗れたり、壁紙に塗ったほうがいいものもあるので、のりのタイプでやり方を選ばれるといいと思います。

――またご質問です。「のりはどれくらいで乾くのでしょうか。最後にカットするときに、壁紙がグニャグニャして切りづらくなることはありませんか」

村上:確かに、今この壁紙もぐにゃっとしていますよね。実際に貼るのにかかる時間は5分程度だと思うのですが、はみ出している部分をカットする時は乾くまで時間を置いたほうがいいと思います。例えば半日くらい置いてからカットすると、キレイに切れやすくなります。後でご説明しますね。

――ありがとうございます。質問です。「壁紙の素材ですが、紙とフリース素材(不織布)と2種類あったのですが、初心者にはフリース素材を勧められました。ちなみに今日先生が使われている壁紙も、フリース素材になりますか?」

村上:そうですね、フリース素材の壁紙です。海外の壁紙の場合、紙の素材だと厚みのあるものが多いですが、逆にそのほうがよれずにキレイに貼れたりすることもあります。今日私が使っている、多少厚みのある壁紙は、貼りやすいのでよく使っていますね。壁紙は「WALPA」さんや「壁紙屋本舗」さんで購入します。輸入物の壁紙だと「rasch(ラッシュ)」というブランドもオススメですね。

――先生、それではご準備が整われましたら、壁紙を貼っていきましょうか。

村上:そうですね、では皆さんなでバケをご用意ください。そして壁紙を両手で持ち上げて、貼っていきます。緊張の瞬間ですね。一番上を合わせていって、ぐっと貼り付けます。

村上:そして、なでバケで上から下に向けて、すーっと貼り付けていきます。

――パッと見た感じ、本棚感がでていますね。

村上:そうですね。一番下まで貼ってしまいましょう。途中でもしのりが足りないかなと思ったら、小さなハケを使って後からのりを足していってもいいと思います。

そして一番下の部分は、塗ってあった面を少し起こしておくといいですね、その状態で乾かしたほうがいいと思います。

――「上から壁紙を貼っていくと、余ったのりが下に向かって垂れてくることはありませんか」というご質問が来ています。

村上:のりは強力のりを使っているので、そんなにたっぷり塗らなくてもしっかり貼れます。のりがだらーっと下に垂れるくらいの量を塗らずに、気持ち薄めに塗るくらいが良いので、大丈夫だと思いますよ。もしのりを余分に塗りすぎてしまったなと感じた場合は、スポンジを使って上から拭い取るといいですね。

――ありがとうございます。柄合わせをしたい場合は、どのように壁紙を買うと良いですか?

村上:柄合わせをする場合、余分に壁紙を購入する必要があります。店頭やネットで壁紙を買う時に、柄合わせ分を計算してくれるサービスもあるので、そちらを利用されるといいですね。

――キッチンの扉や引き戸に壁紙を貼る時は、内側に入れ込むようにして、戸の厚みの部分まで壁紙を貼ったほうが良いですか?

村上:私の家で扉に壁紙を貼る時は、表面だけを貼るようにしていますね。そのほうが貼りやすいと思うので、表面のみ貼ると良いと思います。

――額に壁紙を貼るときはどうしたらいいですか?

村上:私がもし額に壁紙を貼るとしたら、額の上から全面に壁紙を貼ってしまって、真ん中のガラスの部分をくり抜くようにしてカッターで切っていくと思います。壁紙がもったいないのですが、そのやり方が一番キレイに貼れると思います。ガラスがある、内側の部分の壁紙を余分に切っておいて、その余白部分を額縁の内側にくるんで貼るとキレイにおさまりますね。

Step3:仕上げる

――ありがとうございます。先生、そろそろカットしていきましょうか。

村上:はい、地ベラを斜めに持って、カッターを地ベラに添えて壁紙をカットしていきます。切り終えたら余分の壁紙をゆっくり、少しずつ取り除いていって、完成ですね。あまり力を入れずにカットしていってください。最後ははみ出たのりを雑巾などで拭い取ってください。

完成した棚に物を置いていく

――「先生だったらこの棚に何を置いていきますか」というご質問が来ています。

村上:この後、棚板を設置します。予め壁紙の本の柄の位置と、棚板の位置を確認しておいたので、ちょうどいい位置に棚板を設置できました。

村上:ここにファイルボックスなど入れたり、あと我が家では見せる収納としてカゴに入れたものを置いてみたりします。観葉植物を置くのもいいと思います。

村上:グリーンの配置なのですが、例えば3段とも右側に1列に寄せて置く、のではなくて、左右交互に配置すると、バランスが良く見えます。上の段は軽めのものを、下に重めの物を置くと全体の配置もよく見えますね。読みかけの本とかブランケットとか子どものおもちゃとかを一番下の段に入れるといいですね。

あとはアクセントのある鉢を持ってきたり、オブジェを置いてみたりすると、ちょっとしたポイントになりますね。

――「輸入壁紙は厚めということですが、厚みのある方が貼りやすいのですか」

村上:厚みもありますが、輸入壁紙は幅が50cmとか60cmのものが多いです。壁紙を貼る時は、横幅が狭いほうが貼りやすいと思います。女性の場合だと、横幅が大きくないほうが、壁に貼る時に壁紙を貼りやすいため、女性の肩幅くらいの、幅の小さいものをまずは選ばれると良いと思います。

――先生今日も楽しい時間をありがとうございました!

村上:私も楽しかったです。ありがとうございました。今回はできるだけ簡単な壁紙の貼り方をお伝えしました。小さい面積でまずは色々試してみて、少しずつ慣れてきたら大きな面に壁紙を貼るなどして、挑戦してみてください。

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村上直子

整理収納アドバイザー、インテリアスタイリスト、装飾美術などを手掛ける。銀行勤務を経て、念願のインテリアショップへ転職。結婚後は整理収納アドバイザーの資格を取得。個人宅の整理収納代行サービスなどを行っている。

インテリアや収納のアイデアを各メディアで紹介するほか、セミナーやイベントも開催。著書に「子どもとすっきり暮らすシンプル収納ルール」(PHP研究所)がある。

https://www.instagram.com/kikiuchireset/

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