器のプロに聞く!がんばりすぎない日常の食卓コーディネート

おうちごはんを楽しもう

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例えば、赤一色のナポリタン、白一色の豆腐。皆さんなら、どんな器に盛り付けますか?

今回のイベントでは、さまざまなレシピ本や広告などのフードスタイリングを手掛けているつがねゆきこさんに、食卓をちょっとおしゃれにするスタイリングのコツを教えていただきます!

つがねさん流の、電子レンジや食洗機OKな器を使ったおうちモードのスタイリングは、取り入れやすいポイントが満載!器に助けてもらうと、いつもの料理が華やかに見えて、食卓が豊かになります。大人も子どもも、お気に入りの器で食事の時間を楽しみましょう!

<イベント開催日:2021年10月2日>

“フードスタイリスト”ってどんなお仕事?

MC・Aya: つがねさん、自己紹介からお願いできますでしょうか?

つがね: フードスタイリストのつがねゆきこです。フードスタイリストという職業は、すごく幅が広いので、どんな仕事なんだろう?と思われるかもしれませんが、企業さんや出版社さんのイメージを形にして、印刷物やWEB広告などに落とし込む仕事をしています。皆さんよろしくお願いします!

MC・Aya: つがねさんのお仕事について写真を見ながら聞いていきたいと思います。こちらは書籍でしょうか。書籍のお仕事は、どういう流れで進んでいくのですか?

つがね: 出版社さん、カメラマン、料理家さんからのご縁でお声がけいただいて、どういう書籍に仕上げたいか、どういう企画にしていくか、どんな人にどんな想いを届けたいかなどを、編集さんとデザイナーさんと話し合い、それを形にしていく感じです。

MC・Aya: たとえば、この『ストウブで糖質オフ』という本の時は、どういう狙いでこのようにコーディネートされたのですか?

つがね: 著者の大橋さんはストウブの名人で、とても人気のある方です。他にもたくさんの本を出版されているので、他の本とどう差別化するかが大きな課題でした。そこで「糖質オフ」というテーマに合わせて、無駄をそぎ落とし、シンプルで無機質なコーディネートにすることに。あっさりした料理が多く、色が出にくい状況でしたので、周りをシンプルにして素材のジューシーさを引き立たせました。また、周りを無機質にすることで、ストウブの重厚感も出たのではないかと思います。

MC・Aya: 確かに、モノクロな表現、ストウブの重厚感が、料理を引き立たせていますね。

つがね: そうですね。前作が『ストウブで無水調理』という本で、もう少し色のあるアットホームなイメージだったので、それと差別化できたと思います。

MC・Aya: こちらは、台湾料理。ガラッと雰囲気が違いますね。

つがね: 実際に台湾に器を買い付けに行って、台湾らしさを出しました。台湾って、温かく懐かしいイメージがあると思いますが、そういうところを引き出せるよう、色をポイントにしています。

つがね家の食卓コーディネート

『アイスム』取材記事はこちら

MC・Aya: 続いては、つがねさんのご自宅の食卓風景です。えっ、これがふだんのご自宅の風景ですか?特別な日ではないですよね?

つがね: 撮影用に少し整えてはいますが、使っている調理器具や器などはいつもと同じです!

MC・Aya: せいろが食卓にどーんと出ていると華やかになりますね!おうちで使う食器を選ぶ際に、どういう基準で選んでいますか?

つがね: 大前提として食べやすさですね。ご家族の食べる量に合わせて、必要なサイズって決まってくると思いますが、我が家では18cmくらいのサイズで深さのあるものを選んでいます。

MC・Aya: コーディネートのポイントはありますか?

つがね: ハヤシライス、カレーライス、ハンバーグ、スパゲッティといった、皆さんがすぐ頭に浮かぶような料理は、シンプルなお皿ではなく、少し格好良いものを選ぶことを意識しています。

【実演】日常のコーディネートを楽しもう♪

MC・Aya: 今日は実際にコーディネートを実演いただけるということで、お手元に器などご準備いただいています。どんなお皿を選ばれたんでしょうか?

つがね: 和食器ブランドのたち吉さんの商品の中から、自宅で使いやすそうなものを選ばせていただきました。まずはこちらの三段重です!

MC・Aya: お重って、おせち料理の時くらいしか見ませんが、なぜこれを選ばれたのでしょうか?

つがね: まず、電子レンジOKというところですね。三段あるので、必要な段数だけ使えるし、ミニトマトやブロッコリーといった毎日食卓に出るようなものを入れても、ちょっと良いものに見えませんか?

MC・Aya: たしかに、テンション上がりますね!左側には何が入っているんですか?

つがね: 常備しておけるおかずや、前日の豚しゃぶなど、残り物を整頓して入れるのにちょうど良いです。形が引き締まっているので、タッパーから出して普通のお皿に盛るよりも見栄えが良いです。あと、ふたがあるというのも、日常的に使うお皿にはないものなので、目を引く存在になるんですよね。

MC・Aya: お皿の模様がひときわ目立って見えますね。この三段重には、他にどんなものを詰めたら良いと思いますか?

つがね: 混ぜごはんとかも良いですよね。電子レンジ対応なので、ふたをして温められます。この三段重に大事に詰めると、それだけで料理に対して丁寧に向き合える気がします。自宅でリモートワークの時に、このお重にお昼ごはんを入れておいたら、すごくテンションが上がるのではないでしょうか。

MC・Aya: ふだん自分がごはんを食べる時にはコーディネートって気にしたことがなかったんですけど、やっぱり並べ方だけで雰囲気が変わりますね。

つがね: この取り皿は、2枚ずつ違うお皿を使っているのですが、実は全然違う作家さんの作品です。ただ、サイズや質感など共通点があるので、一緒に使っても違和感がないと思っていて、我が家では2枚ずつ使うことが多いです。

MC・Aya: 4人家族で2人ずつ同じ種類のお皿を使っているんですね。だんだんお店みたいな雰囲気になってきました。コメント欄にも「おいしそう!」「素敵ですね!」といただいております!

つがね: 箸先にあるのは、箸置きではなく、豆皿や小皿です。私は自宅で箸置きはあまり使いません。こういうふうに中心に料理を集めた場合、取り分けることになるので、取り皿が必要になりますよね。箸の下にそれぞれ違う豆皿を置いています。

MC・Aya: かわいいですね。豆皿はどれくらいのサイズですか?

つがね: 豆皿は、お醤油皿くらいのものでもいいですし、縦10cmくらいの大きめのものもあります。鳥の形もありますよ。

MC・Aya: かわいいですね!こういう特殊な形のお皿って、つい欲しくて買ってしまうんですが、収納や使いどころに迷って、なかなか出てこなかったりしますよね。箸置き代わりというのは、素晴らしい案ですね!

つがね: 我が家の食器棚には「豆皿コーナー」があって、その場所を子どもたちも知っているので、そこから好きな絵皿を選んで持ってきますよ。豆皿は生活に取り入れやすいと思うので、ぜひやってみてくださいね。

MC・Aya: 今日は三段重以外にも、おすすめの器を選んでいただいているんですよね?

MC・Aya: 八角形の盛り皿、すごく素敵ですね。八角形のお皿って珍しいですよね。

つがね: マットな感じのお皿なので、和洋中どれでも対応できると思います。朝・昼・夜、和洋問わず、いろんなシーンで使えた方が、出番が多くなり、食器棚の奥に行くことがないと思います。

MC・Aya: 正八角形ではなく、少し横長なんですか?

つがね: はい、オーバル(楕円)ですね。横に広いです。

つがね: 定番のナポリタンなどでも、いつもの白いお皿ではなく、洗練された八角形のお皿に盛れば、ちょっと素敵に見えてきます。

MC・Aya: すごく素敵です。同じ白皿でも、丸型と八角形だと全然印象が違いますよね。

つがね: ナポリタンには、白い光沢のある丸いプレートがよく使われますよね。皆さんが生まれた時からいろんなところで見ているお皿なので、このお皿に盛るとなると、料理をがんばらないといけなくなるのかなと思います。

MC・Aya: なるほど!お皿がシンプルだと、自分や料理ががんばらないといけなくなるんですね!

つがね: 「おいしい」という感情を伝えたい時や、家族に出す時、自分も楽しみたい時に、私はいつも器に頼っています(笑)。一皿料理の時のコツは、格好良いお皿を使うこと、あとはフライパンをそのまま食卓に持ってきたり、グリーンを置いたりすることですね。

MC・Aya: 先生、「フライパンがかわいいです。どちらのフライパンですか?」とコメントいただきました。

つがね: バーミキュラのフライパンです。洗剤で洗えるので、気軽に毎日使えます。鉄のフライパンって使いづらいと思うかもしれませんが、このフライパンは食卓にそのまま出しても格好が付くところが気に入っていて、実力もすごいです。実は、一緒に入っているレシピブックのスタイリングを私が手掛けています!

MC・Aya: そうなんですね!バーミキュラをお持ちの方、ぜひレシピブックを見てみてください!

つがね: 次は、同じお皿で、和食バージョンのコーディネートをしてみますね。

つがね: 春巻きは和食じゃないかもしれませんね(笑)。さばの味噌煮とかでもいいんですが、器がマットで和食によく合います。おなじみの白いプレートと比較してみましょう。

つがね: ご覧のように、オーバルだと間がもつんですが、丸いプレートだと、空間が余っちゃうんです。また、八角皿の方が、ふちに高さがあるので、食べやすく、盛りやすいです。家で使うには食べやすさが重要。子どもは特に、食べにくいと食べないんですよ。立ち上がりがある器なら、手で支えやすいし、箸でも掴みやすいと思います。ちなみに、ふだん使っている平たい丸皿も、このようにふちが立ち上がっているお皿です。

<まとめ>食卓コーディネートのポイントとコツ

MC・Aya: ここまで、和食器を使ったコーディネート術をご紹介いただきましたが、ここでつがねさんの「器を選ぶポイント」をまとめておきましょう。

【大前提】 食べやすい、使い心地のいい器 

つがね: 家族で3食の食事を楽しむために、見た目だけを重視すると使い勝手が良くないので、見た目も気にしながら、食べやすいのが大前提ですね。

MC・Aya: 続いて「コーディネートのコツ」です。

①サイズを揃える(厚み・質感)

②オーバル・横長が便利

③視線を中央に集める

④日常的なメニューほど器で締める

つがね: ①は、同時に違う種類のお皿を使いたい時に、サイズを揃えるだけで統一感が出ます。

②は、丸いお皿だと、特に魚の時に上下に余白ができてしまうんですよね。オーバルなら、メインと副菜を横に並べてのせられます。どう盛り付けたらいいか迷う場合、とりあえず器をオーバルにして、左側にメイン、右側に副菜をのせると楽に感じると思います。オーバルはオールマイティーなんです!

③は、せいろなどの調理器具や、みんなで取り分けるものを中心に置いて高さを出すと、そこに視線が集まるので、ちょっと特別感が演出できるんですよね。せいろの中身は、枝豆・とうもろこし・さつまいもなど、素材を蒸しただけのもので十分。忙しい日常の中で「演出する余裕ないわ」と思うかもしれませんが、私は逆に余裕がないからこそ、調理器具やお皿に助けてもらっています。

MC・Aya: せいろは、どれくらいの大きさなんですか?

つがね: 私のせいろは18㎝です。大きめを推奨する本が多いのですが、私は2個セットを2つ持っていて、3段まで同時に蒸せるので、テーブルに出すことを考えると、18㎝がちょうど良いんです。せいろは、お昼のおにぎりを入れるなど、別の使い方もできますよ。

他に、視線を中央に集めるアイテムとしては、カッティングボードがおすすめです。ナッツやチーズなどでボード上を構成していくと、視線を集めることが可能です。また、高さを出すことで情景が変わり、テーブル上が華やかになります!

つがね: ④は、ハヤシライスやカレーライスなど、皆さんがおなじみだと思っているメニューほど、器を黒のような引き締まった色にしてみると、それだけで格好良く、いつもよりがんばっているように見えます!いつものごはんなのに、素敵なお料理を作っているような感覚になりますよ!

MC・Aya: それはテンションがアップしますね!

たくさんの質問、ありがとうございました!

MC・Aya: それでは、たくさんの質問を頂戴していますので、お時間の許す限り、先生にお答えいただきたいと思います!まずは「絶対持っておくと使えるお皿を教えてください!」

つがね: この二大巨頭(オーバルの白皿、有田焼の丸皿)ですかね。

つがね: 両方とも立ち上がりがあるので、食べやすいです。オーバルの方は盛り付けしやすいです。丸皿は有田焼なんですが、そう見えないですよね?和洋問わず使い勝手が良いモダンな器で、朝ごはんの時にいつも使っています。

MC・Aya: 続いて、事前に頂戴していた質問です。「食器を見に行っても、あれこれ迷った挙句、なんの変哲もない白いものにしたり、結局買わずに帰ったり…楽しく使える食器を買うコツを教えていただきたいです。」

つがね: 分かります。私はふだん、好きなギャラリーさんの展示会で購入したり、アンティークのものを購入したりしています。まず、自分がよく作る料理を考えると、盛られる料理が分かるので、必要なお皿が見えてくるのではないでしょうか。素敵だからという理由で買ってしまうと、なかなか棚から出てこない食器になってしまうかもしれません。例えば、これすごく格好良いんですよ。ある作家さんの器で、完全にフラットで、ケーキをのせたり、料理の洗練さを伝えたりするのに使うのは良いのですが、ふだんの食事では使わないです。子どもたちがミニトマトをのせたら、コロコロ転がってしまいますね(笑)。

MC・Aya: ふだんの食卓を思い出しながら買うのがコツということですね!では続いてこちら。「素敵な器を見ると欲しいと思うのですが、収納が限られていて、なかなか買い足せません。購入する際のルールやコツなどありますか?」

つがね: 私は収納を考えて買うよりも、欲しさで買ってます(笑)。仕事上お皿が増えるので、買った後に収納を工夫しています。コの字型の木枠を入れることで、上の段と下の段のお皿を取り出しやすくしています(下写真)。こちらの棚には、ふだん使いのものではなく、来客時用のお皿を入れています。この棚はもともとガラス戸だったのですが、子どもが触りたくなるので、木製の引き戸に交換しました。見えなくなると、不思議と子どもは興味をもたなくなり、素通りするようになりましたね(笑)。

つがね: こちら(下写真)はふだん使っている器の収納棚です。下の段(左)は、縦向きにしまって取り出しやすくしています。よく使うお皿は定位置に入れているので、子どもたちも自分たちで持って行きます。上の段(右)は、小皿を入れています。前半でお話しした「豆皿コーナー」です!

MC・Aya: 続きまして、「料理の写真を撮るのに、さりげなく布やグリーン、花などを入れて華やかさを出したいのですが、なかなかうまくいきません…。簡単にできる方法があれば教えてください。」

つがね: はい、撮影の際、グリーンや布使いは重要なポイントです。グリーンは自然のもので、自分ではどうしようもない形状なので、撮影に適したグリーンを選ぶように意識しています。たとえば、これ(下写真)はアフリカンバジルとミントです。なぜこの植物を選んだかというと、先端にお花が付いていて、枝にも動きがあって、全体的に表情の出やすい植物だったからです。できるだけ低く、料理が近くなるように、食卓の高さになじむものを選ぶと良いと思います。ハーブ系は食卓に合うのでおすすめで、コップに入れても動きがかわいいですよ。

MC・Aya: では最後に今日のイベントの総まとめとして、食卓のコーディネートを見せていただいてもいいでしょうか?

つがね: はい!わかりました!

MC・Aya: ありがとうございました。最後に皆さんにメッセージをお願いします!

つがね: 器を楽しむ気持ちが大事です。失敗はないと思うので、お洋服感覚で楽しんでもらえたらうれしいです!

MC・Aya: すべての質問にお答えする時間がありませんでしたので、こちら(下記)のリンクからご覧ください!今日はありがとうございました!


▶時間内にお答えできなかったQ&Aはこちら!

<コーディネート編> https://www.instagram.com/p/CU4HO6eL12-/

<お皿選び・収納編> https://www.instagram.com/p/CU6agj2t5jG/

▶和食器「京都 たち吉」うつわモニター募集【10月18日10時締切】

https://www.uxd-kurashi-lab.com/questionnaire/1652/

つがね ゆきこ

フードスタイリスト。『ストウブで無水調理』(大橋由香著)、『はじめての台湾料理』(星野奈々子著)などの書籍、広告、雑誌などのフードスタイリングを中心に幅広く活動中。店舗や飲食店のスタイリングやディレクションにも携わる。2017年からフォトスタイリンググッズのショップ「&MERCI」を立ち上げ、プロデュースしている。2021年、株式会社goodmoodを設立。ライフスタイルと向き合い、器や暮らしまわりのものを手がける。夫、7歳の男児と4歳の女児、猫2匹と暮らす。

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