おうちのスマートホームのリアルを聞いてみよう

スマートホーム

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「スマートスピーカーは持っているけど、天気予報や音楽を聞くだけ」「スマートホームってよく耳にするけど、結局何が便利なのかよく分からない」。そんな方のために、スマートホームのスペシャリスト田形梓(たがたあずさ)さんをお迎えして、リアルな使い方を教えて頂きます。

スマート家電は家事の時短から生活の「豊かさ」へ。

「リノべる株式会社(以後リノベる。)」および「一般社団法人LIVING TECH協会(以後LIVING TECH)」PR担当として活躍され、自宅もスマートホーム化を推進中の田形梓さんに、スマート家電の活用方法についてお話を伺いました。

――田形さん、こんにちは! 今日はどうぞ宜しくお願い致します。

田形:こんにちは。「リノベる。」とLIVING TECH協会のPRをしております、田形と申します。どうぞ宜しくお願い致します。

――早速ですが、田形さんが今いらっしゃるこちらは、「リノベる。」のショールームですね。広くて開放的です。

田形:はい、そうです。マンションをリノベーションして、さらにスマートホーム化したショールームです。

――今日ご参加されている皆さんに事前アンケートを取らせて頂きました。そちらの結果をまずは見ていきたいと思います。

男性女性ともにご参加頂いていて、関東から中国地方にお住まいの方々がいらっしゃるようです。お一人でのご参加が多いようですね。

スマートホーム化をしてみたいと思っている分野は、「家電系」が一番気になっているようです。田形さんも、やってみて良かったなと思うのはどの分野になりますか?

田形:セキュリティ系の分野などが頭をよぎったのですが、どれも取り入れやすいものが多いので、この後皆さんにそれぞれご紹介していけたらと思っています。

――こちらはInstagramで取ったアンケート結果になります。スマートホームへの興味は非常に高く、なかでもやはり活用法や使い方を知りたい方が多いようですね。

田形:スマートホームを取り入れようと思っても、難しそうだったり、高そうだったり、そんなイメージを持たれている方が多いのかもしれませんね。

――実際にスマートホーム化しているかどうかもアンケートで聞いてみたところ、意外と取り入れている方が多い印象でした。

田形:一般の方々に比べて、ラボメンバーの皆さんはやはりスマートホームについての情報の感度が高いのだなと思いました。

――さらにはスマートホームに踏み切れない理由について聞いてみたところ、下記のような結果になりました。なんとなく不安、という方が多いようですね。田形さんご自身は、お家をスマートホーム化するきっかけは何だったのでしょうか。

田形:仕事柄、スマートホームを導入しやすかった面もあるのですが、一方でハードルもあったのは事実です。といいますのも…実は家族があまり興味を持っていなかったのですね(笑)。今までスイッチを押してライトを付けていて不便ではなかったのに、なぜスマートホームにしなくてはいけないのか、別に今のままでいいのでは、というスタンスだったんです。つまり家族の理解が、一番のハードルになっていました。

いろんな機器があるため、どれから導入すればいいか分からないというのが大半だと思いますので、私からもこの後オススメの方法などをお伝えしていけたらなと思っています。

――なるほど。そして実は本日はラボスタッフでスマートホームにとっても興味のあるNorikoさんも参加しています。Norikoさんは何を導入していますか?

Noriko:アレクサを中心に使っています。導入のきっかけは、Amazonのプライムセールで安くなっていたので購入してしまいました(笑)。安かったからやってみよう、という気軽な感じで取り入れてみました。

――ありがとうございます。ここからは、おうちをスマートホーム化することで暮らしがどう変わるのかについて、皆さんとトークを進めて行けたらと思います。

まずは「何ができるようになるかわからない」「今の環境でも十分かな…」という点についてお話し頂ければと思います。ラボメンバーからの声をピックアップしますね。

Noriko:うちもアラームを設定して子どもを起こしていますね。あとは小学校に行く時間に合わせて、チャイムを鳴らすように設定しています。時間設定も曜日の指定とかも、スマホから簡単に変えられるので、その日によって調整したりしています。

田形:うちも使っています!子どもが2人いるのですが、月曜日と木曜日が可燃ごみの日でして、長女がそれを出す係なんです。そこで、月曜日と木曜日の朝に「そろそろ家を出る時間だよ、あと今日は燃えるゴミの日だよ」とスマートスピーカーが言うように設定しています。そうするとスムーズにリマインドされて、お互いストレスが減りました。私が娘に直接言うとうるさがられるので、スマートスピーカーを介すことでスムーズに対応してもらっています(笑)。

――なるほど、そういうこともあるのですね。この他にもこんな事例があります。

田形:私もまさにここに書かれてある内容で、毎日使っていますね。「イエナカ内線」などは、例えば私は戸建てに住んでいるのですが、1階から子ども部屋に対して「お風呂入って」とか、たわいもない話をするのに使っています。

「見守り」というところでいくと、うちの実家が遠方にあるのですが、そこに義理の母が一人暮らしをしています。そこで朝食や夕飯時にオンラインで繋いで、一緒に夜ご飯を食べたりテレビを見たりして、コミュニケーションを取っています。スマートスピーカーにも画面付きのものがありまして、うちではそれを使って「お義母さん〜」と呼びかける感じです。実家とつながる小さな窓があるような、そんな感覚ですね。

Noriko:子どもが1人で家にいて、私が外出している時に、例えば雨が降ってきて洗濯物を入れて欲しいときなどに、スマートスピーカーに呼びかけて、「雨だよー、洗濯物入れてー」と子どもに指示しています。すると家中のスピーカーから私の声が鳴り響く設定になっているので、やらざるを得ない状態になり、やってくれますね。

田形:うちは次女の音読の宿題を、私が仕事から帰る間にスマートスピーカーをつないで音読してもらって、それを私が移動しながらヘッドフォンで聞いて、帰宅したら宿題完了のサインをする、という時短もしています

――なるほど、これはまさに時短に繋がりますね。そしてこちらの事例もご紹介します。ロボット掃除機を活用している事例です。

田形:例えばスマートスピーカーを介してロボット掃除機を動かすこともできますし、ロボット掃除機のアプリでタイマー設定もできます。このショールームですと「行ってきます」と言うと、照明がすべて消えて、ルンバが起動する設定にしています。外出中に部屋の中が掃除されている、というシチュエーションですね。

今、ちょっとやってみましょうか。

ルンバはここの、小上がりの下の基地に居ます。

「アレクサ、行ってきます」

田形:部屋のライトが徐々に消えて出かける準備ができました。そしてリビングはルンバが、キッチンはブラーバが起動しています。

――今視聴者の方から「うちのアレクサも反応しました」というコメントが届きました(笑)。

田形:それは失礼しました(笑)。

それではもとのモードに戻しましょう。

「アレクサ、よろしく」

ライトが徐々に付いてきました。ちょうど中間色になっています。

夜帰宅した場合を想定してもう一度やってみましょう。

「アレクサ、ただいま」

照明が、ややオレンジ色が強くなってきたのがおわかりになりますでしょうか。そしてカーテンが閉まりました。帰ってくる時間に合わせて調整ができるんですよね。

田形:通常ですとスイッチを押して回っていたところを、スマートスピーカーにひと言伝えるだけで、複数の家電が連動してくれるので、その分、時間にゆとりができます

――ありがとうございます。もう一つ、また事例をご紹介します。

田形:我が家はスマートキーを導入しています。例えば外から家に帰る際に、半径50m以内に近づいてくると家の鍵が自動的に解除されて、家の中に入ると今度は自動で閉まる設定になっています。Wi-Fiが繋がっている環境であれば、外から鍵を開けることも可能ですね。例えば子どもが鍵を持っていくのを忘れて学校に行ってしまっても、帰ってきた時に親が外から家の鍵を開けてあげることもできるわけです。鍵の開け閉めの履歴も見られるので便利ですね。

Noriko:エアコンの遠隔操作はとっても便利でして、よく使っています。リビングのドアを閉めたかどうか忘れてしまいがちなので、ドアの開閉センサーも付けて、閉まっているのを確認してからエアコンを入れるとか、組み合わせて使っていますね。

田形:例えば最近ですとエアコン自体にWi-Fiがついていて、スマートスピーカーと連携することもできます。もしそういうエアコンでない場合は、スマートリモコンを利用されると便利だと思います。温度センサーなどがついているスマートリモコンもありまして、20℃以下になったら自動的に暖房が付くように設定することも可能です。時間でも設定可能なので、その時間内で起動させることもできて、細かく調整できるのが便利ですね。

――ありがとうございます。この後は、フリートークを展開していこうと思います。ちなみにお二人は、いつ頃からスマートホームを導入されたのでしょうか。

田形:私は2年くらいだと思います。すべて自分で導入してみたのですが、何を導入しようかは毎回悩みましたね。例えばスマートキーにしても、何種類もあるので、予め自分のなかで「こういうことがしたいな」というイメージを持ってから商品を選ぶようにしていました。

Noriko:去年(2020年)コロナ禍で家にいる時間が増えた時に導入をし始めたと思います。せっかく家にいる時間が増えたので、もっと楽するにはどうしたらいいかなと思って始めました。それにしても、スマートホームの“沼”にハマるとあっという間ですよね、田形さん(笑)。

田形:Norikoさんの沼は深そうですから色々とお話し聞きたいですね(笑)。

Noriko:そうですね、ひとつ導入してみて出来るようになると、あれも出来そう、これも出来そう、と次々と追加してきて今に至ります。

約1年半前に導入し始めて、Amazon Echoを数台と、ドアの開閉センサーをあらゆるドアに設置して…あとは自動のスイッチ類を使っていますね。

――もともとスマートホーム化していないお家でも、スイッチやボタンをスマートホーム化することが出来るということですね。

Noriko:スマートホーム化されている家じゃないとできないのかなと思っていたのですが、そうではなくて、自動スイッチ類を付けるだけで一般的なスイッチがスマートホーム化できるので本当に便利です。

――ありがとうございます。田形さんに質問です。皆さんにまずオススメしたいスマートホームアイテムはどれになりますか。

田形:全部を一度にやろうとすると大変だと思うので、まずは1つ導入してその便利さを実感されるのが良いと思うのですね。例えばわかりやすいところでいくと、照明です。専用の電球に替えて、Wi-Fiと連携するためのブリッジを買ってみる。あとはスマートキーやスマートリモコン。この3つが取り入れやすいと思います。

照明ですが、色温度が変わる電球に替えると、オレンジっぽい温かみのある色から色など様々な色に変化させることができます。自宅はもともとリラックスする場所ですからオレンジ色の光を導入されているご家庭が多いと思うのですが、最近ですと家で仕事をする機会も増えてきました。そこでオフィスで使われているような白っぽい光に替えることで、より仕事が集中してできるようになると思います。

同じダイニングテーブルで仕事をしたり、食事をするにしても、照明の色温度を変えることで、その場の環境をも変えることが出来てしまうのですね。

――ありがとうございます。こちらの資料におまとめしていたので是非ご覧ください。

田形:この中ですと、例えばご家族が多い場合はスマートキーもおすすめです。コロナ禍で鍵に触れたくないと思われる場合でも、スマートキーを使えば帰宅時に鍵を触らずに扉を閉めることもできるので便利ですね。

――そして合鍵を作る必要もなくなる、ということですよね。

田形:はい。機種によってはQRコードを発行してお友だちに送れば、お友だちも家の鍵を開閉できるようになったりもします。お家のお掃除サービスを使われていらっしゃるご家庭も、ご担当者に合鍵を渡すこと無く自由に開閉してもらえるので便利です。

まずは自分が何をどうしたいのか、どんな行動をしているのか、逆算して考えていくと、ご自身に適したアイテムを導入しやすいと思います。

――導入する時に気になるのが、どれくらいお金がかかるのか、ということかと思うのですが、いかがでしょうか。

田形:デバイスにもよるのですが、スマートキーも数万円のものから数千円のものまで幅広いですね。どの機能を入れたいからこのデバイスにしよう、などといった感じで選ばれると良いと思います。

スマートライトなども、一昔前のLED程度の価格帯で買えたりします。

Noriko:うちの場合も、トータルで考えても5万もいっていないかなと思います。

田形:うちも多分…3〜4万だと思います。

――これだけできるのに、そんなに高くないのですね。

田形:スマートスピーカーは特に、音楽を聞くのにとどまっていて、既にお持ちであっても活用しきれていない方が多いのかなと思います。

うちはAmazon Echoを使っているのですが、お買物リストに追加する、という機能があります。これはAmazonのオンラインショップのショッピングカートに追加されるというものではなくて、お買物のリストを作ってくれる機能です。例えばゴマ油を切らしていて買わなくてはいけない場合に、思いついたときに「アレクサ、ゴマ油を買い物リストに追加して」と言うと、買い物リストに自動的に入れてくれるのです。

そうすると、私や夫の携帯に、お買物リストが追加されるので、出かけているどちらかが買ってくることができて、とてもスムーズです。

――家族間のやり取りもスムーズにできてしまうということですね。Norikoさんはいかがですか?

Noriko:うちはまずはアレクサを導入して、その後は家族には伝えずにこっそりと、少しずつ導入していきました。一気に導入すると家族に気づかれてしまうので。

田形:それ、いいですね。家族に「携帯貸して、アプリ入れておくから」と伝えて、少しずつ導入していくという(笑)。

――お子さんなどはとっても順応が早そうですよね。

田形:気付いたら、知らなかった機能を子どもたちが使っていることもありますね。特に長女が一番使いこなしているかもしれません(笑)。

義理の実家のスマートスピーカーは、1つのアカウントで連携させていて、共通で管理しています。例えば義理の母が使い方に困っている場合は、私たち家族側で調整してあげることも可能だったりして便利です。「スピーカーから音が出てない」、と義理の母が言ってきたら、こちら側でボリュームを操作して音量を上げてあげたり。

――それは良い使い方ですね。Norikoさんに質問です。これから導入しようかなと気になっている商品はありますか?

Noriko:新商品なのですが、壁掛けができるアレクサ、ですね。「Amazon Echo Show 15」という商品だったと思います。まだ発売前のようですね。

田形:今までは机の上などに置くタイプでしたが、壁掛けできるタイプです

――今、視聴者の方からご質問が届きました。「連携のお話が出たのですが、実家にも我が家にもアレクサがあります。アカウントは別にしていて、それでも内線のような使い方をしたいのですが、出来るのでしょうか。」

田形内線機能ではないのですが、連絡先を追加すれば通話をすることは出来ます

――ありがとうございます。田形さんが注目していて、これからオススメされたいスマート家電はありますか?

田形:スマートティーポットという商品があります。単純にお茶をいれるだけではなく、今飲みたい状況に合わせてお茶をいれてくれます。(https://teplotea.com/

例えばこのポットのボタンに指をかざすと、利用者の脈拍と体温を読み取ってくれます。そしてスマホ連動しているのですが、例えばこの後仕事をしなくてはならない場合、スマホと連携したアプリで「集中モード」を選びます。そして茶葉をセットしていきます。利用者の体温や状態だけでなく、周りの環境、例えば室温とか騒音レベル、照明や湿度まで鑑みて、一番その環境に適した時間と温度でお茶を出してくれる商品なのです。茶葉もサブスクリプションでご自宅に届くので、ベストな設定と状態でお茶が頂けるのですよね。

今までご紹介した商品は、より便利に、よりスマートに、といった利便性重視のものが多かったのですが、こちらは「豊かさ」にフォーカスした商品になっているのですね。急いでお茶を出すのではなくて、時間をかけて、あなたにピッタリなお茶を出す、という製品です。

これからのテクノロジーは、このような方向性に向かっていくと思っています。その人に合った動きを家電がサポートしていく。もちろん時短を手助けしてくれる家電もとっても便利だと思うのですが、いずれは利便性は当たり前になって、このような「豊かさ重視」の方向性になっていくのではないかなと思います。

――人のぬくもりを感じさせる家電ということで、前回ご紹介頂いた、手で文字がかける商品もありましたが、そちらと通じるものもありますね。

田形:こちらですね。タイマーやラジオをかけたりできるアイテムなのですが、手書きでメッセージが書けます。

この製品の秀逸な点は、空間を邪魔しない質感だったりデザインにあると思うのです。あえて存在を消していくデバイスと言いましょうか。こちらもLIVING TECH協会では注目しているアイテムですね。

田形:また、映画やゲームをより楽しめるという点でスマート照明にも注目しています。壁掛けのTVの両サイドにこのライトを設置すると、TVに映し出される映像に合わせて、両サイドのライトも同調して色が変わる仕組みになっているのです。

――このライトを使って、ライブ映像が見られたら、とっても盛り上がりそうですね。ありがとうございます。Norikoさんも、これからスマートホームを検討されている方にオススメしたいアイテムは何かありますか。

Noriko:特にこれ、というものはないのですが、とにかく1つ興味のあるものを使ってみて欲しいと思います。スマートスピーカーをお持ちだったら、そこに数千円で買えるスマートリモコンを連動させると、音声でエアコンやTVを操作できるようになるので、本当に便利なのが実感できると思います。

田形:Norikoさんのおっしゃる通りで、まずは1つ何かをチャレンジされるとその便利さを実感できると思います。ぜひ導入してみてほしいなと思います。今日はどうもありがとうございました。

――田形さん、Norikoさん、今日も楽しい時間をありがとうございました。

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田形梓

リノべる株式会社 および 一般社団法人LIVING TECH協会 PR担当。2020年4月のLIVING TECH協会設立当初からPRを担当し、自宅もスマートホーム化を推進中。両団体で「暮らし × テクノロジー」の文脈で、様々な情報発信を行う。中学生と小学生の母。

リノべる。
https://www.renoveru.jp/
https://www.instagram.com/renoveru/

LIVING TECH協会
https://www.ltajapan.com/

手元や高い所などを視聴者にわかりやすく実況中継するために、株式会社デベロップジャパンのオンライン接客サービス「Air-DAM(エアーダム) https://www.djuxd.com/solution/air-dam.html」を使用しました。