お正月飾りで新しい年を迎えよう!

グリーンを暮らしに取り入れよう

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お正月飾りは買うものだと思いがちですが、実はお家で作ることもできます。さらには飾る素材や色についても、それぞれに意味があるってご存知でしたか? 今回は花の教室「日々花」を主宰されている雨宮ゆかさんをゲストにお招きして、お正月飾りの由来を聞きながら、ワークショップ形式で作り方を教えていただきます。

お正月にお飾りを飾る意味とは?

花の教室「日々花」を主宰されている雨宮ゆかさんに、お正月飾りの意味や、作り方について教えていただきます。

――雨宮先生、こんにちは! 今日はどうぞ宜しくお願い致します。

雨宮:こんにちは。こちらこそどうぞ宜しくお願い致します。お正月飾りは地方によって多少異なりますが、今日皆さんと一緒に作って行くものは、簡単に作れて地域を選ばないタイプのものになります。

お正月飾りは年神様をお迎えするサイン

雨宮:お正月飾りは、日本の神様と関係が深いです。年神様といって、1年経つと毎年新しい神様に代わります。新しい神様が訪れるのがお正月で、お迎えをするにあたり「ここに来てくださいね」という「サイン」が必要なのですね。そのサインが「門松」でしたり「しめ縄」だったりします。

「しめ縄」は稲穂をよったもので作ります。

お家をキレイにしてから飾りましょう

雨宮:ここに来て下さいというサインと、結界をお伝えする意味もあります。しめ縄を飾っている場所の内側は、神様に入って頂いていいですよというしるしになるのです。

年末は大掃除をされると思いますが、お家をキレイにしてからお飾りをかけて下さい。お家の中がクリアになっているので、神様に入って頂いて大丈夫ですよ、ということになります。

――年末に大掃除をするのはなぜだろうと思っていたのですが、これは年神様をお迎えするためだったのですね。

雨宮:それこそ昔は疫病が流行りやすかったのだと思います。1年に一度、掃除をして清潔にしてから場を整えるのは、身体の状態を良く保つためにも大事だったのではないかなと感じます。

一説によりますと、昔のお正月は「立春」だったとも言われています。人の身体が春に向かって変わっていくときに、お家もキレイにして、自分もちゃんとする。それが出来たよ、というサインを出すのがこのお飾りだったのかなと思うと、全てが繋がるなと感じますよね。

飾る場所は、玄関、リビング、台所でもOK

雨宮:飾る場所は、どこにかけても良いです。神社の宮司さんに聞いたことですが、お正月飾りは玄関でも、家族が集うリビングでも、もしくはご自身が居ることが多い台所でも大丈夫です。いずれにしても、お掃除をしてから飾って下さい。

お飾りの材料には意味がある!

雨宮:お飾りには次のものを使用します。それぞれに意味や理由があります。

「松」お飾りには常緑のものをつけます。冬でも命があるものを、という象徴で松をつけますが、「神様を待つ(まつ)」という意味もあるそうです。「木」に「公」と書いて「松」、つまりフォーマルな木でもあります。今回は「姫五葉松」といって、緑が大変美しいものをご用意しました。

「ユズリハ(譲葉)」子供の葉が成長するまで親の葉が残っているので、“譲る”葉なのですが、これも松と同じく縁起物の緑です。常緑といった意味では、ヒノキや杉でも良いと思います。神社に行くと御神木になっている木ですね。

「紙垂(シデ)」をつけます。神様は雷に乗って降りてくると言われています。その雷を模したものとして、白いギザギザをした紙をつけます。こちらは地域によっていくつかの形があります。

「稲穂」お米の神様を象徴する稲穂で、しめ縄を作ります。なぜ稲穂を使うかと言うと、稲穂は田んぼの神様の象徴なので「今年も無事にお米を収穫して、ご飯が食べられますように」「今年も一年元気でいられますように」という願いを込めるためなのですね。本来はお米のついていない稲穂でしめ縄を作っていたといいます。苦労してお米を収穫したのに、稲をとった後の藁を捨ててしまうのはもったいないと、昔の人は思ったのでしょう。これでお布団を作ったり、冬のコート代わりのミノを作ったりしていました。

・「お餅」お米からできるものの象徴としてお餅をつけます。お祭りでも使われますよね。

・「赤唐辛子」色が赤いものは、魔除けの意味を持ちます。悪いものを寄せつけない、という願いを込めて、赤い唐辛子を使います。

・「昆布」日本には語呂合わせの縁起物というものもあって、これはお正月飾りが出来た頃よりももっと後の、江戸時代の頃からでてきたと言われますが、「喜ぶ」=「こぶ=昆布」ということで、昆布を使います。今日は結び昆布を使いますが、これも「縁を結ぶ」、「家族の和を結ぶ」といった願いが込められています。あとは海のもの、山のものをつけるというのも意味があるため、海のもの=昆布、を使用します。

この他にも、

「黄色くて丸いもの」柑橘は吉祥の象徴です。橙(ダイダイ)や小さい柚子も良いですね。

最近でこそ豪華なお飾りが増えてきていますが、本来はシンプルなものだったのですよね。台所に一般的にあるもの、唐辛子や昆布など身近にあるものを昔から使っていたのも、意味があるのかなと感じます。

寒さが厳しくてお米があまり採れない地域では、収穫物をお飾りに盛りつけることで、今年も無事に食べて暮らしていけますように、という願いを込める地域もあります。

材料と道具のチェックをしましょう

雨宮:材料と道具について、具体的にご説明していきます。

<材料>

稲穂:市販のものでご購入いただけると思います。直径4cm程度の束でOKです。

唐辛子:3〜5個ご用意ください。大から小といった感じで、大きさを少し変えています。緑の茎の部分がついているものが映えます。

昆布:結び昆布は探すのが大変かもしれないので、なくてもよい、としましたが、あればつけてください。

切り餅:切りやすいので角型のお餅にしましたが、丸餅でも大丈夫です。

ラフィア:水草からできた紐です。本来は稲の茎で結ぶのですが、難しいのでラフィアにしました。

半紙:紙垂を作るために使います。

<道具>

道具はスライドに書いてある通りです。

Step1 準備

1.餅を切る。角餅を8等分くらいにするイメージで切る。端から切らず、真ん中から切ると失敗しにくい。唐辛子の長さと同じくらいになるのがポイント。お飾りに使うのは3枚程度。

2.唐辛子を並べる。上から下に、大→小の大きさで飾るため、その状態でお皿などに持って置く。唐辛子の方向も揃えておくと良い。

3.紙垂(シデ)を作る。稲妻をイメージした形で、地域によって少し異なる。

①半紙を半分に折る。(写真は半分に折られた状態)

②半紙をもう一度半分に折る。

③さらにもう一度半分に折る。

④さらにもう半分に折る。

⑤紙を開く。3本の折線があることを確認する。

⑥外側から左右1本目の折線を、紙の輪の方向(紙が折られている方向)から切り込みを入れる。

切り込みの深さは、折線の2/3くらいまで。

⑦3本の折線の真ん中にある線を、反対側からハサミで切り込みを入れる。この時も、切り込みの深さは折線の2/3くらいまで。

⑧紙の輪の方向(紙が折られている方向)の一番端を反対側に折る。

そのまま次の切り込みを同じように折っていく。

紙の輪のつけ根の部分を三角に折る。お飾りにつける時には、この三角の部分を挟み込むようにして、ノリは使わない。

紙垂をもう一つ作る。紙垂は左右対称にしたいので、最後に切込みを入れてからは、1つ目とは逆の方向に折り返す。紙垂は1つだけでもOK。

紙垂は、本に挟むなどして、重しをして形を整えておくと良い。

4.稲穂を取り分けてから、揃えて束ねる。4本のみ稲穂を束から取り分ける。これは唐辛子と餅を取りつける用になる。残りの稲穂は後ほどまとめて使う。

Step2 稲穂の飾りつけをする

1.稲穂に唐辛子をつける

①4本の稲穂は、お米の先端で高さを揃える。

②ラフィアを水に濡らす。(水に濡らすことで、切れにくく、結びやすくなる)③稲穂のお米のつけ根部分を、ラフィアで片結びする。結びおわったラフィアは短く切り取る。

④稲穂の茎の部分、約20cmを水に濡らす。

⑤左右に1本ずつと、真ん中2本で、稲穂をより分ける。先程準備しておいた、一番小さい赤唐辛子を、稲穂の間に挟み込むように入れる。

2.稲穂に餅をつける

①次に餅を挟み込む。ポイントはあまり力を入れすぎないこと。

②同じ要領で、赤唐辛子→餅と挟み込んでいく。4や9といった数字は避けて、赤唐辛子と餅が合計で5個か7個が望ましい。

③最後はラフィアで片結びで止める。

結びおわったラフィアは短めに切る。

Step3 仕上げる

1.束ねた稲穂に、赤唐辛子と餅をつけた稲穂を合体させる。

①束ねていた方の稲穂も、お米の先端側で高さを揃える。

②束ねた稲穂の上に、赤唐辛子と餅をつけた稲穂を配置する。お米の先端位置を揃えてもいいが、赤唐辛子や餅が、下の稲穂のお米部分にかぶさるように置いてもOK。

③一緒に束ねたら、稲穂をラフィアで結んでいく。結び目がお飾りの裏側に来るようにする。壁掛け用の輪っかを作りたい場合は、ラフィアを少し長めに切っておく。

2.松と紙垂をつける。

①ラフィアで留めた場所から上に15cmほどの場所を、ラフィラで結び留める。同じように結び目は裏側にくるようにする。

②松をつける。ラフィアの結び目と稲穂の間に差し込む。

③昆布をつける。ラフィアを結び昆布に結んでから、松の上から結んでいく。昆布の向きは、蝶ネクタイのように上向きにすると良い。四角い昆布の場合は、ラフィアで昆布を結んでから取りつける。

3.後ろに掛け輪をつける。

①残しておいたラフィアで掛け輪を作る。余分な部分は切り落とす。

②余分な稲穂のつけ根部分をカットする。

③最後に紙垂をつけて完成。三角を作った部分を、稲穂とラフィアの間に挟んでいく。

自分で作ったお飾りでお正月を迎えましょう

――先生、完成しましたね!どうもありがとうございました。ラボメンバーから質問が来ています。

Q:稲穂が黄色いものでも大丈夫ですか?

雨宮:黄色くても問題ありません。緑色の稲穂は、機械乾燥のことが多く、固いので扱いにくいかも。自然に乾燥させたものは黄色いことが多いです。

Q:稲穂はどこで手に入りますか。

雨宮:東急ハンズなどのクラフト物が置いてあるところや、花屋さんにも売られていると思います。ホームセンターなどにも置いてある場合があります。12月25日を過ぎると花屋さんで入手しやすくなります。

Q:お飾りは丸い形、輪っかのものが多い気がしますが、形に意味はあるのでしょうか

雨宮:意味、あります。「一家が丸く、円満に」の願いを込めて「丸い」形をしていたり、「平和」の「わ(輪)」を表していたり、1年が巡ってまた春が来るという意味で「輪飾り」という意味が込められています。ただ全国的に見ると、輪飾りはさほど多くないようです。

お飾りを飾る日ですが、29日を避けて、30日までに飾るのが一般的ですので、ぜひ今日作ったお飾りも掛けてみてください。

少し難しかったかもしれませんが、一度作ってしまえば次回からは簡単にできると思います。今日はどうもありがとうございました。

――いかがでしたか? お正月飾りの意味を知って、材料を揃えて自分で作ったお飾りはきっと感慨深いはず。今回の作り方をお手本に、来年もまた作って飾ってみてくださいね。

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雨宮ゆか

花の教室「日々花」主宰。
季節の草花を生活にとりこむ花の楽しみ方のレッスンを定期的に行う。
工芸作家とコラボした花器の提案をおこない、各地のギャラリーで企画展も催す。
花にまつわる執筆やスタイリングも手がけ、メディア掲載も多数。
著書に「百花帖」「百葉帖」エクスナレッジ、「花ごよみ365日」誠文堂新光社。

https://www.instagram.com/hibihana_yukaamemiya/

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