地方移住体験者に聞く、「リモートワークと暮らしに」について。

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「リモートワークと暮らし」をテーマに、ラボメンバーで座談会を開催しました。ゲストスピーカーとして、東京から長野県小布施町に移住した塩澤耕平さんをお迎えし、気になる地方移住について、そのメリット・デメリットや具体的な対策について教えて頂きました。

虫は多い?仕事はある?地方移住のリアルを知る

座談会はオンライン会議システムを使って開催

座談会開始早々、地方移住のリアルについての質問がラボメンバーから矢継ぎ早にかわされます。

「田舎は虫は多い?」

「地方でも仕事はありますか?」

(気になる答えは後ほどご紹介します)

ゲストスピーカーの塩澤耕平さんは、次々と質問に答えていきます。塩澤さんは、長野県に暮らしながらコワーキングスペースを運営したり、東京の企業のネットショップ関連の仕事をしています。

ゲストスピーカーの塩澤耕平さん

ゲストスピーカーの塩澤耕平さん

都内のIT系企業の医療部門などでの勤務を経て、2017年2月より、実家のある長野で人が集まる拠点をつくる事業を行いたいと考え、独立。ECコマースの個人事業と、小布施町でコワーキングスペース「ハウスホクサイ」を運営しはじめます。

2021年夏にはカフェを開業予定とのこと。

塩澤さんが移住先として、自身の地元ではない小布施町を選んだのは、2017年に「小布施若者会議」というイベントに参加したことがきっかけだったそうです。その後、東京に暮らしながら、小布施町に通うようになった塩澤さん。実際に移住に踏み切るまでには、1年ほどかけてご家族と話し合ったそうです。

地方移住は“グラデーション”で始めるのがいい

塩澤:実家が長野県駒ヶ根市にあり、小布施には2年前に移住してきました。妻が居て、子どもはいません。当初妻は東京に残り、私だけ移住すればいいのではとの話だったのですが、時間を掛けながら話し合い、二人で移住することになりました。妻が全く不満がないと言えば嘘になりますが、比較的馴染んできたように思えます。

NICO:実は私もいずれは地方移住を考えています。去年に子どもが産まれたばかりで、夫の実家が新潟にあります。奥さんがまだ馴染めていないと感じる点はどのようなところだと思いますか?(女性・40代)

塩澤:夜に出歩けないのが不満のようです。あとは、田舎ではありがちだと思いますが、プライベートがなくて、近所の人が自分のことを知っているという状態が多いですね。例えば連絡の仕方にしても、知人に用事があって連絡が取れなかった場合、知人の奥さんのほうに連絡が行って、そこから本人と連絡が取れることがあったり。

NICO:わー、それはすごい(笑)

きょう:実際に移住となると、決断も大変そうですね。(女性・40代)

塩澤:いきなり移住するのではなく、1年くらいかけて、妻を説得するような状態でした。なので、何度か移住を希望するエリアに足を運んでみると良いと思います。いきなり移住するのではなくて、グラデーションで移住を体験しながら考えるほうが良いのかなと。現地のコワーキングスペースやシェアハウスなどを利用して、滞在しながら働いてみて、また都心に戻ってきてという生活を少ししてみて、様子を見ながら移住を考えていかれるのが良いのかなと思います。

きょう:参考になります!

塩澤さんは、移住について「グラデーションで始めていくことが大切」と話します。知らない地域にいきなり飛び込むのではなくて、移住前にその地域のイベントに参加してみたり、その地域に滞在しながらリモートワークをしてみたりすると、自分と地域との相性がわかってくるのではないかとのこと。

地方での働き方、仕事について

塩澤さんが、長野県に移住した直後1年の仕事の割合と、現在の仕事の割合を示した表です。東京での仕事をリモートワークでこなしつつ、住んでいるうちに地元でも関係性が広がり、地域の企業からも仕事の声がかかるようになっていったといいます。

カバレロ:仕事について質問があります。地方でも、働き先ってあるのでしょうか。(女性・40代)

塩澤:仕事の内容にもよりますし、移住したタイミングでたまたま募集をしていた、ということもあると思います。実際に私の妻も、移住するタイミングで地元の電力会社の事務職の募集がたまたまあって、そこに務めることになりました。

地方移住ならではのメリット・デメリット

塩澤:地方移住について、それぞれの側面での良い面、悪い面を、私なりに整理して資料にしてみました。都心ではあまり感じなかった、地元の人との繋がりだったり、プライベートのなさ問題だったりは、色々とあるかなと思います。

きょう:田舎だと“虫”問題があると思うのですが、実は虫が私は苦手で……

塩澤:そうですよね、どうしても虫は都心に比べると多いとは思います。地方でも市街地に住めば、そんなに虫も多くないので、少しずつ慣れてくるのではないかなと思いますよ。

きょう:なるほど……

るーりん:健康面の変化はありましたか? 自分がやや健康オタクなので。(女性・40代)

塩澤:歩く機会が減るのと、ご飯が美味しいので、体重は太りました(笑)でも、仕事は早く終わり、夜は早めに寝るようになったので、比較的健康な生活になってきたかなとは思います。今のところは、健康診断も問題ないです(笑)

生活にかかる費用、収入・支出問題

ibara:地方ってやっぱり車の免許がないと、生活するのに難しいですか?(男性・20代)

塩澤:田舎、地方といっても、長野県でも長野市や松本市などのような比較的大きな市であれば自転車しか持っていない人もいます。長野市のマンションに住んでしまえば、車の必要もないかなと思います。地方の中にも、アーバンエリアとそうでないエリアのグラデーションに分かれていて、アーバンエリアであれば車は要らないですが、山奥のほうでしたら車はマストかなと思います。

ibara:車の燃費というか、ガソリン代が生活でどこまで大変になるのか知りたいのですが。

塩澤:これは移住に関する研究結果でも出ていた気がするのですが、地方移住をした場合、収入も下がるけど、支出も下がる傾向にあるんですね。確か、収入も支出も30%下がるから、あまり感覚は変わらないという感じだったかな……車の維持もそれなりに負担になりますが、全体的に見ると都市部に住んでいたときよりも、生活費や生活のレベルはあんまり変わらないかなという感じがします。

カバレロ:住まいについて質問なのですが、塩澤さんは賃貸ですか? もしくはご実家に住んで、いずれはご両親の介護なども視野に入れているのかどうか聞きたいです。

塩澤:賃貸アパートに住んでます。最近、小布施に土地と古民家を購入したので、そこを来年夏目処には改装したいと思ってます。直近では、猫を飼いたいと妻と話していて、来月より、ペット可賃貸アパートに引っ越します(笑)地元の駒ヶ根には、兄(独身)が戻りました。その点では、いずれ親に介護が必要になった場合は、資金の支援や兄のサポートをする側になると思っています。もちろん、兄の事情が変われば、わからないですが。

移住=終の棲家か、あくまでも「一つの拠点」と考えるか

カバレロ:自分は他の参加者のかたと少し違って、移住をするとなると、自分の最期を考えての移住になるかなと思っています。コロナ禍の影響もあり、一層その気持ちが増した気がします。若いころは今のことばかりに目がいって、あまり自分の最期までは考えることもありませんでした。東京から違う土地に移動したら、そこに永住したいという気持ちのほうが強いです。

塩澤:東京にいた頃の私も、地域で最期を迎える方がどんなに幸せかと良く考えていました。実際に住んでみると、素晴らしいところも、不便なところもあり、悩ましいなあと思います。地域の中にも、都市部、住宅地、山間部など色々ありますので、どこに住むかによっても事情が違います。

 小布施にいたあるご夫婦も、65歳くらいになり、医療機関のアクセスに便利で、娘さんのいる東京に引っ越した方もいます。私は今、33歳なので、32年くらいすると、このご夫婦のように考え方も変わりそうな気もします。

今は、あくまでも移住先を「一つの拠点」と考えるようにしています。よく「骨を埋めて、永住するの?」と聞かれるのですが、それはちょっと重いな……と。軸となる拠点を持ちつつ、馴染みになった他の地域や国にも中長期で滞在したいと考えています。そのためには、離れていてもできる仕事や、特定の期間少し長めにお休みできる環境を、意識して準備していきたいです。なかなかできていませんが。

趣味や余暇の過ごし方も変わってくる

カバレロ:移住して、余暇の過ごし方や趣味など変わったかどうかをお聞きしたいです。

塩澤:以前は東京に月1度〜2度行って、仕事のかたわら、友人と会っていました。今は、あまり行けなくなりましたね。買った土地が農地付きで栗やキウイを育て始めたので、農作物の世話をしなくてはならなくなり、あまり時間が取れなくて。でもこの状態が、今は楽しいです。地方に移住していても、自宅で映画を観るとか、家具や服を買うなどは、ネットでほぼ対応出来て、結構充足しています。

自分らしい地方移住とは?

ゲストスピーカーの塩澤さんのお話を受けて、参加者のみなさんからは、住む場所についても、仕事だけではなく、子どもへの影響、親の介護、余暇や趣味など、さまざまな視点から考えてみたいという声が出ました。また、「一生をどこかで遂げるというよりは、家を転々としたい。自分の年齢、ライフステージにあった場所に過ごしたい」という意見も。

自分やパートナー、家族のそれぞれの価値観だけでなく、ライフステージによっても、望む暮らしは変わっていくことを改めて実感する座談会となりました。

画像提供:ハウスホクサイ

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