年末にこそ整理整頓。詰め込みすぎない収納術で家中すっきり!

年の瀬を迎え、そろそろ年末大掃除の計画を立て始める時期がやってきました。今年はなにかとおこもり需要が増え、自宅にものが増えてしまった人も多いのでは?
そこで今回は、前回の座談会でキッチン周りの見事な収納術を教えてくれた整理収納コンサルタントの須藤昌子さんのお宅に再びお邪魔し、「年末に向けて収納術を学ぼう!」と題して、前回お伝えしきれなかったリビング・寝室・シューズインクローゼットの収納術について伺いました。
あえて余白を作ることで圧迫感のない空間に
――今日は玄関横にあるシューズインクローゼットから紹介してくれるそうです。須藤先生、本日もよろしくお願いします。

須藤:よろしくお願いします。こちらが我が家のシューズインクローゼットです。リビングにも繋がっている作りなので、車の掃除道具や子どもの学用品のほか、書類や掃除機などをしまうリビング収納も兼ねているんです。ほかにも除草剤などの掃除道具、スーツケースや防災グッズ、最近ではマスクや除菌剤などのストックも、こちらに置いています。
――カーテンがかけられている箇所は、何を収納されているんですか?
須藤:足元にはスーツケース、上の棚には利用頻度の低いひな人形が入っています。このカーテンは、100均で購入した布地とツッパリ棒を使って手作りしているもので、必要な場所に必要な長さのカーテンが簡単に作れ、取り外しも簡単なんです。目隠しにもなりますし、ほこり除けの役割もしてくれるので、カーテン仕切りは隠す収納におすすめですよ。

――上から下までたくさんの棚にものが収納されているようなのですが、配置には何かこだわりがあるんでしょうか?
須藤:基本的にはすぐに使わないものを上に置いて、目線から腰の高さに日ごろよく使うもの、それより下がその次に使う頻度の高いものという順に配置しています。例えば先ほどのひな人形だと、目線より少し上の棚に入れています。1年に1回しか取り出さないものなので、一番上でもいいのでは?と思いますよね。でも年1回のこの取り出し作業がすごい大変。なのであえて1つ下の棚に入れて、取り出し作業が億劫にならない工夫をしているんです。
――なるほど。使う時のことを考えた収納、ということですね。勉強になります。
アトム:先生、私前回のキッチン収納術の回にも参加させていただいて、先生の美しすぎるキッチン収納に感動して、さっそく我が家も見直したんです。今回も、もっと刺激をもらえたらと思って参加しました!
我が家のリビングにあるクローゼットの収納について相談させてください。文具や薬、レジ袋、書類などの細々したものをまとめる引き出しの付いた収納ケースをクローゼットの中に入れて収納しているのですが、ついついケースの手前や壁との隙間に、ものを置いてしまいがちです。無駄にスペースが空いてしまっているのがいけないんでしょうか?
須藤:収納ケースや引き出しは、できるだけ浅くて引き出しの数が少ないものを使うのがおすすめです。引き出しが深くて数が多いものだと、ものが奥まで見えないので、どこに何が入っているかがすぐにわからず、片付けが苦になってしまうんですよ。隙間についてはもう気にしないことが一番。隙間を埋めようとすると空間に圧迫感が出るので、全部埋めようと躍起になる必要はないんです。
アトム:なるほど。先生のシューズインクローゼットは、収納ケースやスーツケースなどが棚にジャストサイズで入っているように見えるのですが、棚を作る際にしっかり計算されたのでしょうか?
須藤:いえ実はあまり計算してないんです(笑)。棚ができてから、何を入れようか考えたくらい。ですので隙間をぴったり埋めようとかあまり神経質に考えず、ものをどう減らして何をどこに収納するのかを考えた方が、すっきりと整理整頓できると思いますよ。
家族分の衣類は、お母さんのまとめやすさを重視!
Twinkle:私は新居を建てる際に、家族5人の動線をイメージして間取りを考えたんです。1階シューズインクローゼットには家族分のアウター、1階ファミリークローゼットには夫婦の普段着と子どものオンシーズンの衣類、2階ウォークインクローゼットには夫婦の普段着以外の衣類と、子どものオフシーズンの衣類といった感じです。ですが、それぞれの収納力にもそれぞれ差があるので、ついスペースのある部屋に衣類を移動させてしまったりと、うまく使いこなせてないのが正直なところ。せっかくの新居なので、分かりやすく使いやすく、収納できるようになりたいんですが、何かコツなどありますでしょうか。

須藤:ファミリークローゼットにはハンガーバーがあって、下には衣装ケースが入っているんですね。ただこのクローゼットに全ての衣類を入れるのは難しいと思うので、ちょっとボリュームを減らしましょう。衣装ケースも半分に減らす。ちなみに、ハンガーバーに吊り下げるタイプの衣装ラックを使われているようですが、形が安定しないし、場所をとるのであまりおすすめしていません。思い切って取ってしまっても良いと思いますよ。
下にもハンガーバーがあるみたいなので、そこに子どもの衣類を掛けて、自分で選んで着られるような状態にしてみてください。ある程度自分で探せて着られるっていう状態にしてあげると、子どものためにもなるし、お母さんの手間も省けるはず。何よりもまず、家族と相談してお母さんがやりやすい方法で、用途を決めてまとめていくのがいいと思います。
Twinkle:そうですね、確かに服の量が多い気もするので厳選して、用途や季節ごとに分けて、整えていきたいと思います。あとハンガーバーの活用は、干したものをそのまま持ってきて掛けられる利点もあるので、衣装ケースではなくバーをもっと活用したいと思います。
ものを買う時は、収納場所を考えてからが鉄則
須藤:衣類収納については、我が家のウォークインクローゼットを紹介しますね。こちらには主人と2人分の衣類にバッグやマフラー、アクセサリーなどの小物をすべて収納しています。

須藤:我が家では1個買ったら1個処分するっていうルールにしています。でも時には衝動的に買いたいものも出てきますよね?そんなときは、『これを買うためには何か捨てなきゃいけない』と悩むんです。そうして悩むことが苦痛に感じるなら、新しいものは買わず、ものが増えないよう調整しているんです。
――収納は買う時から始まっているんですね。
Twinkle:パンツやロングスカート、ワンピースなど、長いものの収納に困っているんですが、何かいい方法などありますか?
須藤:私は『MAWA(マワ)ハンガー』のパンツ用を使っています。滑らない素材で、細くすっきりとしたデザインなので場所も取らず、おすすめですよ。あとはハンガーにかける際のコツをひとつ教えますね。
ハンガーにかける際、衣服を半分に畳んでから、裾と袖をハンガーにかけ、包み込むようにしてかける方法です。こうするとワンピースの場合、長さがコンパクトになるだけでなく、セーターなどの伸びやすい素材の衣類は、肩や裾が伸びずに収納できますよ。

Twinkle:すごい!こんなかけ方生まれて初めて知りました!
アトム:私もです。画期的!
年1回の見直しで、収納スペースを上手に確保
――洗面所のシンク下の収納やコスメの収納はどうされていますか?というリスナーからの質問が来ています。
須藤:では洗面所もお見せしましょうか。

須藤:鏡裏の収納は、主人のもの、私のもの、子どものものの専用ケースを作って、ケースに収まるだけの化粧品などを入れるようにしています。化粧品って、意外と消費期限とかがあって、置いておくとカビが生えてしまうので、たくさんの量を持たないようにしているんです。
シンク下の収納は、配管の奥のスペースは使わず、手前までにしています。クリアケースを入れて、ストック入れ、いつも使う掃除道具入れという風に分けて収納しています。ケースには仕切りを入れて、ごちゃつかないように工夫することもポイントですね。

――では最後に、年末のお掃除に取り組むラボメンバーに向けて、アドバイスなどあれば教えてください。
須藤:時間的なこととか、体力的、気力的なこともあると思うので、例えば『今日はここだけ見直そう』という感じで、1か所ずつ取り組んでいくのもいいと思います。まず整理整頓が嫌にならないようにしていくことが大事。
また、使わないものを取っといて収納場所を奪われて、入れるところがないってなっちゃうことが多いので、1年に1回お家の中のものを見直してあげると、家の中の収納がうまく使えるようになっていくと思いますよ。
アトム:実践できそうな技ばかりで、さっそく我が家でも取り組みたいと思います。ものを増やさない努力というのが収納の基本なんだなと改めて教えてもらいました。ありがとうございました!
『収納』ときくと、ものをしまう、片付けるという作業だと思いがちですが、実はものを購入するときから収納術は始まっていると、改めて実感した今回の見学ツアー。これから年末に向けて、大掃除とともに家庭内のものを整理整頓する良いきっかけになったのではないでしょうか。

須藤昌子さん
「毎日、そして未来を楽する片付け」を提案する、整理収納コンサルタント。Amebaブログ「整理整頓・ミニマルライフ」ジャンルで1位を何度も獲得し、分かりやすく、やる気になる整理術に定評がある。個人宅の整理収納サポート・整理収納おうちスタイリングレッスン・企業向けコラム執筆や雑誌監修・テレビ出演など多方面で活躍。近著に『死んでも床にモノを置かない。』(すばる舎)、『床にモノを置かないだけで一生散からない家になる』(宝島社)がある。
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