ディスプレイデザイナーに学ぶ、空間を素敵に彩るアイデア(前編)

DIY・インテリア

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ディスプレイデザイナー・インテリアスタイリストのみつまともこさんに、お家の空間を素敵に彩るアイデアを教えて頂きました。

居心地が良い空間の作り方や、見せる収納のコツなど、みつまさんのご自宅に伺って伝授して頂きます。プロが実践するアイデアを取り入れて、理想の空間を目指しましょう。

みつまさんのご自宅のライブツアーに入る前に、今回参加されるラボメンバーの皆さんから頂いた、お部屋や収納のお悩みを見ていきます。

物があってもスッキリ見せるコツや、部屋が狭くてもディスプレイができる方法、お子さんの作品をオシャレに飾る方法や、廊下や棚の使い方を知りたいなどといった、どれも共感できるお悩みばかりです。

それでは早速、みつまさんのご自宅にお邪魔してみましょう。

ライブツアー開始とともに、パネラーから歓声が!

玄関に入ると、靴箱の上のスペースが素敵に彩られていて、早速ラボメンバーから歓声が上がります。

みつま:みなさん、こんにちは。我が家の玄関は狭いのですが、下駄箱の上にディスプレイコーナーを作っています。お客様がいらしてパッと目に付く場所に、デコレーションをしたコーナーを作ることで、お部屋全体のイメージが良くなります。季節ごとに飾るものを変えています。

今は娘の絵を飾っています。そしてお庭に咲いているお花を摘んで生けてみました。子どもの描いた絵も額装することで可愛く見えますし、娘も喜んでいます。これはIKEAなどで買った額なのですが、マットを入れることで作家さんの絵のようにみえるのでオススメです。

また、玄関はまったく陽が当たらいので、ダウンライトを仕込んでライトを当てています。

――ダウンライトを当てることで美術館みたいになりますね!

みつま:ありがとうございます。次にリビングにご案内します。

目線の位置を意識してディスプレイをする

パネラー全員:わぁ、素敵です!

みつま:ありがとうございます。玄関からリビングに入ったときに、一番最初に目につく場所に大きなシンボルツリーを置いています。その後に目が行く場所として、リビングの入り口から見て対角線上にある位置に、飾り棚を作ってディスプレイをしています。

――玄関を見させていただいた時も“目を引くもの”が大切とおっしゃっていましたね。

みつま:はい、お店のディスプレイをする時の法則でもあるのですが、空間のなかで“目につくポイント”を作ると、空間全体が引き締まって見えたり、またその場所を整えておけば、お部屋全体の印象も良くなる効果があります。目につくポイントを常に整えることで、お部屋全体をいつも片付けていなくても、お部屋がキレイに見えるんですね。それをお家でも取り入れるというのもいいかなと思います。家事を減らすことにも繋がりますね。

――物が少ないわけではないのに、すごくキレイに見えます。そしてやはり木が気になります(笑)

リビングにはシンボルツリーとハンギンググリーンを配置

みつま:こちらのシンボルツリーはパキラで、5年程前に購入しました。買ってきた当初から大きかったのですが、この環境がとっても適しているみたいで、どんどん大きくなっていて、切っても切ってもこの状態です。枝ぶりは横に流れるような感じで整えて切っていますね。

この木の周りを囲むようにしてあるグリーンは、自宅用に買ったり、撮影で使ったものを引き取ったり、と自然に集まったものです。葉っぱの形が異なるようにセレクトしています。

まいちる:天井からハンギングしているグリーンは、もともとそこに置こうとされていたのですか? 全体のインテリアを考えてからつけられたのか、教えて下さい。

みつま:この吊り元は、グリーンを吊るためにつけてもらいました。うちの天井はコンクリートなため、自分では設置できなかったんですね。なので大工さんに相談してつけてもらいました。グリーンが大好きなのですが、植木を吊り下げるための吊り元がないことに気づいて、引っ越ししてからつけてもらいました。

みつま:キッチンの上にもレールをつけているのですが、同じように窓側にもレールをつけておけばよかったのかな、と今になって思います。キッチン上のこのレールは建築当初からつけてもらっていまして、配線のダクトも兼ねています。金具を変えれば、照明を付けるだけでなく、グリーンも吊り下げることができます。

まいちる:リビングを入ってすぐの右手の壁にも、ピクチャーレールが見えたのですが、それもレールを付けていらっしゃるのでしょうか。

みつま:はい、これも最初につけてもらいました。配線の機能はつけていなくて、絵などを飾るフックが付けられるようになっています。

飾り棚は季節やテーマで、ディスプレイするものを変えていく

――飾り棚も見せて頂いてもいいですか?

パネラー全員:おおおお! すごい素敵!

みつま:今はお雛様を飾っています。お雛様は左右対称に飾るものなので、この棚でも左右対称にキャンドルを置いてみました。普段は、例えば季節ごとなど、その時々に合わせてディスプレイを変えています。

――先生、これらの小物類はどうやって手に入れているのですか?

みつま:仕事柄、撮影の小物を探すことが多いのですが、気に入ったものは撮影後にそのまま引き取ってしまったりしますね。ただそれを続けていたらものすごい量になってしまいました。ディスプレイって、物が多いと全く映えなくなってしまうんですね。なので物の量を調整するのがとても重要になってきます。増えてきてしまったら、処分したり、人に差し上げたり手放すように常に心がけています。

生活をしていると好きな物に出会ってしまうわけで、どうしても物が増えてしまいますよね。

――ラボメンバーのお悩みでも、物が多くてそれをどういうふうにディスプレイに生かせばいいのかわからないという声も多くありました。

色別にまとめてスッキリ見せる収納を

みつま:そうですよね、とても良くわかります。たとえば、私は洋書がとても好きなので、すぐに増えてしまうのですが、色別にまとめるだけでもスッキリ見える効果があると思います。

ミッフィー:なるほど〜 美しいですね!

みつま:色で分けるだけで、なんとなく飾りっぽく見えますよね。物が多くても、そういう工夫を取り入れることでスッキリ見えるやり方もあるかなと思います。例えばこの右下のカゴは、中にお料理の本や雑誌を入れているんですが、カゴを使って収納にメリハリをつけてもいいと思いますよ。

あーこ:本当にどれもが素敵ですよね。うちでも飾り棚を付けようかなと思っているのですが、両端に板を付けるべきか、無いほうがスッキリするのか、迷っていてまだ実行に移せていません。

みつま:なるほど。実はうちの場合はこの棚は作り付けなんですね。壁の中に棚の芯が埋まっているので、両端に板をつけなくても、ある程度の重さのものを置いても耐えられる仕様になっています。ただ、後から付ける場合は構造的に、両端の補強が必要になるかもしれませんし、棚の下の受けの金具なども必要になりますよね。状況によって調整されるとよいのかなと思います。

棚の奥行きは、飾りたいものを想定して測ってから決める

まいちる:棚の奥行きは何センチですか? そしてそれはどのようにして決められたのですか?

みつま:24cmです。奥行きはとっても悩みました。そしてディスプレイするものをあらかじめ置いてみて、その奥行きを測ってから決めました。あまり奥行があっても、棚が傾いてきてしまったりするのは避けたかったので、この長さに決めました。

れいこ:飾り棚のお掃除は大変ではないですか?

みつま:しっかり掃除するのは、ディスプレイの物を取り替える時、つまりだいたい1ヶ月おきぐらいなのですが、その時にしています。普段の掃除は羽のハタキでササッとホコリを取る程度です。

――お掃除しやすくする工夫はされているのでしょうか?

みつま:棚に全てのものを直接置いてしまうと、掃除が大変になるので、トレイの上に物を置いて、掃除する時はそのトレイを浮かせてハタキをかけたり、足のある器を置いてその隙間を掃除しやすいようにしたり、余白を残したり、そういう箇所を作るのがポイントかなと思います。

リスナー:玄関にもダウンライトを使っていらっしゃいましたが、もしかしたら飾り棚にも照明を仕込んでいらっしゃったりするのでしょうか?

みつま:素晴らしいご指摘ですね(笑)実は飾り棚にダウンライトを取り付けようかどうか、とっても迷いました。ただ、棚の下から照明器具が見えてきてしまうのは避けたかったので、結果的にはダウンライトはやめて、代わりにスタンドタイプのライトを近くに置いて、それを移動させながら照明を当てています。このフロアスタンドはIKEAで買いました。壁に光を当てたりすれば間接照明にもなり、カッコイイ雰囲気にもなりますね。

後編では、みつまさんのキッチン、浴室や子供部屋などを見させて頂きます!

みつまともこ

ディスプレイデザイナー・スタイリスト。多摩美術大学 デザイン科卒業。 (株)サザビー(現:サザビーリーグ)にてウィンドーディスプレイ・スタイリングを担当し、退社後フリーランスのディスプレイデザイナーとして活動。衣食住に関わるさまざまなジャンルのウィンドーディスプレイ・展示会の装飾などを手がける。また、書籍・雑誌・webではスタイリストとして活動。

撮影のスタイリングやデコレーションアイデアの紹介の機会も多く、2020年7月には著書「暮らしの図鑑 ガラス」(翔泳社)を刊行し、好評を得ている。

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