空間を有効に使うための、賢い家具の探し方。

DIY・インテリア

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こんな収納家具があったらいいな、今住んでいる家の壁に棚を付けたいけどどうしたらいいか分からない……。住まいに合った家具や収納アイテムをいざ探そうと思うと、なかなか見つからなかったり、やり方もわからなかったりしますよね。

そこで新築マンションなどの内装業を主軸にオリジナル商品の開発・販売もされている「FORIS」の商品企画部 部長の高木康裕さんに、個人でも直接購入ができる収納家具やパーツ類、それぞれを賢く使うためのコツについて教えて頂くライブイベントを開催しました。

フォリス商品企画部 部長の高木康裕さん

ラボメンバーからも収納に関する悩みが届いています

クローゼットや洗面所など、生活の動線も考えて、より賢く便利に使える収納家具を知りたいといった質問やお悩みが、ラボメンバーの間でも話題になっています。

ラボメンバーから事前に寄せられた質問には、収納に関する切実な悩みが

――それでは早速、「FORIS」で商品企画部 部長をされている高木さんをお呼びしたいと思います。高木さん、こんにちは! 今日はどちらから中継が繋がっていますか?

高木:こんにちは。本日は東京の南砂町にある弊社のショールームから皆さまにお話させて頂きます。「FORIS」はマンションの内装工事を手掛けている会社です。そこでマンションをご購入されたお客様にアンケートを取らせて頂きますと、収納に関するご不満が非常に多く寄せられます。私たちはそのようなお悩みに対応すべく、商品を開発して制作しております。本日は、過去に頂いているお悩みをヒントに制作した、弊社のオリジナル商品をご紹介していきます。皆さまのご参考になれたら幸いです。

――ありがとうございます。早速ですが、こちらのスライドの図面は何ですか?

高木:はい。この左側の図面が従来のマンションで良く見られる「横長リビング」になります。右側が、私どもの提案する図面になります。

通常であれば、キッチンの正面にダイニングテーブルが配置されるのですが、私どもからの提案として、キッチンとダイニングテーブルを一体化させて、新たに出来たスペースを家事スペースとして設計しております。具体的にキッチンからご紹介します。

キッチン・家事スペースの、動線にかなった収納

――素敵なキッチンが展示されていますね。

高木:こちらはキッチンとガス台とダイニングテーブルが一体化されたモデルになります。

――キッチンにテーブルが付いているんですね!

高木:はい、このように、上段に引き出しがあり、その下がテーブルになっていて、テーブルはご飯を食べているときにスライドしないように、固定用のストッパーがこちらについています。

高木:上の引き出しには、カトラリー類を収納できるようになっています。台の高さも一般的なダイニングテーブルの高さと同じにしてあるので、椅子も収納しやすくなっています。

――ここでお食事をして食べ終わったら、すぐに隣のシンクにお片付けができてとっても便利そうですね!

高木:そうですね、またシンクの近くには、食洗機を入れるスペースも確保しているので設置が可能になります。

――食べ終わって片付けが終わったら、スッキリきれいなアイランドキッチンに戻ってしまうのも気持ちがいいですね。

高木:キッチンの背面には、キッチンと同じ木目調で作っている食器棚も配置しています。収納もたっぷりできて、電子レンジや炊飯器などコンセントが必要なものもスッキリ入りますし、スライドして取り出せることもできます。

高木:下段の引き出しにはゴミ箱も収納できてしまいます。これで全てが収納できてしまいますね。

またキッチンに戻りますと、こちらはガスかIHが選べます。その上にはレンジフードが設置されていまして、お鍋はもちろんですが、焼き肉をやって頂いてもお部屋に匂いが残りづらくて、とても便利だと思います。

――今までキッチンとダイニングが分かれていたものが、一体化されたことで、スッキリ収納もできますね。

高木:そして余ったスペースで、家事用のスペースが確保できるようになりました。このスペースをご案内します。

まずは洗濯機が置けるスペースと、その隣に洗濯機では洗えない物用にシンクを設けています。お子様の上履きなど、手洗いしたいものを洗えるスペースですね。

高木:そしてその後ろには、部屋干しスペースをお作りしました。洗濯機から出して頂いた洗濯物を、その動線の流れで、すぐに干す事ができます。

――花粉の時期とか、どうしても部屋干ししたい場合などに便利そうですね。

高木:そうですね。そして乾かし終わったものをアイロンにかける場合、アイロン台とアイロンを近くに置くことで、すぐにできる仕組みにしました。ワイシャツなどをアイロンがけして、そのまま上のラックのハンガーにかけることができます。

壁につけられたアイロン台。折りたたみができて場所を取らずに収納できる

――そのアイロン台は、壁に付いているんですか? あと付けってできるんでしょうか?

高木:はい、壁に付いています。こちらは壁の補強が必要になるので、専門の業者さんに頼んで頂ければ取り付け可能です。そしてこの上には、高さの移動が可能な棚が取り付けてあり、ポールの位置も、手前や奥など適した場所に動かせる仕様になっています。

この奥には扉が取り付けられまして、最初にご案内したリビング側に通り抜けができます。干しておいた洗濯物を、今度はリビング側から扉を開けて取り出してそのまま着る、という動線が確保できます。

ポールの位置も、手前や奥に簡単に移動できる仕様に

ゆき:うちのマンションにも高さが変えられる収納棚があるんですが、ネジが必要で、なかなか変えようと思っても面倒くさくなってしまい変えていませんでした。今回見させて頂いたように、簡単に移動ができるのは便利だなと思いました。

Kurumi:洗面所とランドリーが分かれているのが良いなと感じました。また部屋干しができるスペースが、ウォークスルーになっているのも便利だなと思います。

マンションに取り付けられた、システム収納とは?

――それでは場所を少し移動して、同じ建物内にある別のショールームに向かって頂きます。高木さん、建物の中に、マンションの玄関があるんですか!

高木:はい、こちらは一般の方は入れないのですが、長谷工コーポレーションのショールームになります。お部屋の中に入りまして、システム収納についてご紹介します。

マンションのショールームがまるごと体験できるフロア

高木:マンションにあるクローゼットは、システム収納になっていて、決められたモジュールで設計されています。例えばこのハンガーラックですが、一本だけですと下の部分が場所が余ってしまいますよね。そこでこの穴にフックを差し込んで行けば、簡単にラックが追加できます。

高木:棚板も、このように棚受けの材料を差し込めばすぐに棚が追加できます。棚板を追加することで、クローゼットもまた異なった使い方ができます。

――他にも取り付けられるパーツはあるのでしょうか。

高木:引き出せるスラックスハンガーや、小物を入れるバスケットなども同じように取り付けられます。いずれもスライド式になっているので、出し入れがラクですね。

写真左・下がスラックスハンガー、上が小物入れ用のバスケット。写真右・引き出し式のワイヤーバスケット。

高木:こちらのシステム収納に使われている、壁の穴と穴の間の空間(ピッチ)は、全て長さが決められているので、簡単にアイテムを追加することが可能です。例えばネクタイハンガーなど、様々な収納アイテムを取り付けられます。

ネクタイハンガーもネジ2本ですぐに取付可能に

――本当に簡単に取り付けられちゃうんですね。

高木:壁に開いてあるピッチについてご説明すると、上の穴と下の穴の間隔は32mmピッチで開いています。接続するパーツも同様に、ネジとネジの間隔が32mmピッチで開いているのでピッタリはまります。また、奥行きのピッチについても、32の倍数の位置に穴があいています。このように、システム収納であれば、簡単に好みの追加パーツを後から取り付けることができます。

ラボメンバーから熱心に質問が飛び交います

Kurumi:キッチンについて教えて下さい。先程拝見したキッチンは、一般的なものよりも、横幅が少し長めの作りになっているのでしょうか。

高木:先程ご覧いただいたキッチンは、通常よりも約15cm長いタイプになります。ご家族が少ない場合ですと、長さを縮めることも可能です。

Kurumi:ありがとうございます。システム収納についても質問です。今回お見せいただいたタイプは、幅(クローゼットの間口)がやや狭いタイプかなと思ったのですが、この長さも色々あるのでしょうか。

高木:はい。クローゼットの幅についてですが、こちらは5cmピッチで、最大90cmまで作っています。このピッチに合わせて、それぞれのパーツをご用意しています。

ゆき:実は長谷工コーポレーションのマンションに今住んでいるのですが、確かに先程色々と測ってみたら、クローゼットの中にも同じ幅で穴が開いていました(笑)これからオプションパーツが増えると仰っていたと思うのですが、どこでその商品は見ることができますか?

高木:「FORIS」のオンラインショップのウェブサイトがございますので、そちらからご覧いただけます。ぜひ一度チェックして頂けたら幸いです。(記事の一番最後にURLを掲載しています)

――実物の商品を見たい場合、そちらのショールームで見ることはできますか?

高木:今いるフロア、つまりマンションショールームにつきましては、一般の方々は残念ながらお入り頂けません。

ゆき:ありがとうございます。棚板を増やせることは知っていたのですが、オプションパーツも色々な種類があって、あとから増やせることは知らなかったので、是非取り入れてみたいですね。

スクがベッドになる家具、ってなんですか?

――スライドの資料で拝見していたのですが、デスクがベッドになる家具があるということで、こちらを実際に見ることはできますか?

高木:はい、こちらになります。

お子さんにピッタリな勉強机に見えます

高木:こちらのデスクの上にある取っ手を持って下ろしますと……

高木:このようにベッドになります。デスクの上に置いてあったものは、そのままの状態でひっくり返ることなく、ベッドの下に収まります。最近の部屋は寝室がやや狭くなっていることもあり、ベッドと机の両方を置いてしまうとそれだけでスペースを取ってしまいます。こういった家具を使って頂ければ、他の家具も入れることができるかなと思います。

――確かに、ベッドを使う時はデスクを使いませんし、その逆もまた然りですね。

Kurumi:こちらはマンションに取り付けられているものになりますか。それとも個別に販売されているのでしょうか。

高木:今後、オンラインショップで販売をしていく商品になるので、もう少ししたらお買い求め頂けるようになります。

――ほかにオススメ商品はありますか?

高木:はい、こちらになります。

最近開発したばかりの小上がり収納

高木:マンションはフローリングが一般的ですが、畳の部屋も欲しいというご要望にお応えして商品を開発しました。さらには収納も増やされたいということで、畳を使った小上がり収納になります。この畳の蓋を取り外すと、中に収納スペースがあります。普段は小上がりとしてご使用頂いて、物を取り出したいときに蓋を開けて使用頂けます。特徴としましては、畳の蓋を取り外して壁に立てかければ、棚としてもご利用頂けます。2つ並べて1畳より少し小さいかな、というサイズ感になります。こちらも4月からオンラインショップでご購入頂けます。

――ほかにオススメ商品はありますか?

高木:マンションの下駄箱の下ですが、空間が空いている場合があると思います。そちらに置ける収納を開発しました。二段になっていまして、お子様がお外で使うおもちゃの収納でしたり、靴の収納もできるようになっています。

――ありがとうございます。本当にいろんな収納があって、購入することも可能なんですね。ちなみに、先程アイロン台を設置されている場所でご紹介頂いた、棚の留め具(レール)ですが、あと付けってできるのでしょうか。

高木:こちらはネジで留めるので、壁に下地が入っていないとレールを留めることが出来ません。市販されている、「下地探し」というものがありますので、そちらをお使いになりながら下地を探して壁に取り付けて頂くことができます。

――なるほど、ありがとうございます。また例えば、今のお家でランドリースペースを作ろうとした場合、どのようなステップを踏めば設置可能ですか?

高木:今回ご紹介したようなものになりますと、やはりリフォーム会社にご相談されたほうが良いと思います。なぜなら、水道の配管や排水がどうなっているかを調べる必要がでてきたりするためです。

Kurumi:質問ではなくて、今後の要望になってしまうのですが、よろしいでしょうか。今、4歳の子どもがいるのですが、ベビーカーから自転車に変わる時期でもあるんですね。そうすると玄関にそれらを置きたいですし、加えて砂場セットだったり、ボールなども置きたいですし、昨今のコロナ事情もあってマスクや消毒液を置きたかったりもします。そこで玄関収納で画期的な商品があったらいいなぁと感じていました。

高木:承知しました。ぜひ参考にさせて頂きます。

ゆき:クローゼットなのですが、奥行きがありすぎて使い方に困っていました。もし良い使い方があれば教えていただきたいのですが、いかがでしょうか。

高木:なるほど……例えばですが、前と奥で分割できる棚板になっていると思いますので、奥の棚板はそのまま生かして、手前の下の棚板を外して、そこにポールやラックなどを取り付けて、長物を収納されると良いかなと思います。

「こういうアイテムが欲しい」「こういう事に困っている」という皆さまからのご意見を本日はたくさん頂けて、大変ありがたく思いました。私どもは皆さまからのそのようなご意見を参考にして商品作りをしていますので、ぜひ今後ももし何かありましたら、「FORIS」のホームページからご意見をお寄せ頂けたらと思います。

――本日はどうもありがとうございました!

高木康裕
株式会社フォリス商品企画部 部長

1963年 横浜市生まれ
1990年 株式会社長谷工コーポレーション入社
同年   株式会社フォリスに出向
2013年より商品企画室 部長に就任

入社以来長きにわたり内装の商品開発に従事しインフィルメーカーとしての技術全般を担い快適なインテリアを提供。

◆フォリス社 オンラインショップのホームページ
https://foris-online.com/

手元や高い所などを視聴者にわかりやすく実況中継するために、株式会社デベロップジャパンのオンライン接客サービス「Air-DAM(エアーダム) https://www.djuxd.com/solution/air-dam.html」を使用しました。